弊社は「関わるすべての人を元気に」というミッションのもと、2013年から『元祖辛麺屋桝元』を大分県でFC展開しています。飲食業と私を繋ぐ原点になったのが、趣味のサーフィンを楽しむために足を運んだ宮崎県で口にした一杯の辛麵。隣県でありながらも異なるご当地の味に惚れ込み、異業種からの挑戦を決意しました。

そして1号店の開業から月日が経過した今、私たちが辛麺に次ぐ新たな事業の柱として取り組んでいるのが、自社飲食店で使用するニラの茎部分を活用したサステナブルな万能調味料「必然のニラ醤油」の製造です。
ニラの茎部分は異物混入や土の汚れを落とす下処理に手間がかかるため、本来は食べることができると知りながらも廃棄をしていました。けれど従業員の一言をきっかけに、これまでロスしてきた茎の躍進がスタートしたのです。けれどこの気づきは、偶然ではなく必然。だってニラの茎は元々、葉先よりも根元の方が栄養価は高いと言われていたのですから。

つまりこのアクションによって拾い上げたものは２つあり、1つはこれまで廃棄を続けてきたニラの茎。そして最後は「そういうものだろう」、と今までの生き方の中で何となく根付いてしまった“当たり前”という自らの価値観です。

現在のコロナ渦が証明をしているように、社会の常識はある日突然、何かをきっかけに大きく変わってしまうのに不思議ですよね。けれど当たり前、もしくは普通という感情をもう見つめ直し、自分自身の心のふるいにかけることによって広がる世界があることをニラが私に教えてくれました。1つの苗から収穫と再生を繰り返す生き様には、私が歩んできたこれまでの人生と重なる部分さえも感じています。
飲食業への挑戦を決めたときも、新たに製造業に踏み出そうとしたときも、いつだって常識という不確かな物差しで自らの夢が測られていく中、踏ん張ることができたのはニラのような不屈の魂を持ち続けていたからだと思うのです。

だから次は私が皆様に、「やればできる」という思いをニラにのせて届けたい。 将来的には海外にも販路を拡大し、ニラの魅力を世界に広めたいと考えています。そしてこの取り組みによって大きく社会を変えることはできなくとも、ご縁が繋がった方々だけは元気にできる自分でありたいと思っています。
そのために私はこれからも、目の前にあるモノやコト、自らの気持ちをアップサイクルしていくつもりです。ニラから広がる無限の未来を、何度でも必然と呼ぶために。